神社の帰りに
手をつなぎながら歩いていると、

一ノ瀬くんが私の顔を
嬉しそうにのぞき込む。


「天野、知ってる?」


「?」


「花籠神社には、

ふたりで花手水をすくうと、
そのふたりは
永遠に添い遂げるっていう
言い伝えがあるんだって」


パッと一ノ瀬くんを見上げると、
一ノ瀬くんがいたずらな顔をして微笑む。


「ずっと、一緒にいような」


「うん」


大きくうなずいて、
一ノ瀬くんの手のひらを

ギュッと強くにぎった。