「相変わらず脳みそお花畑でいらっしゃる。
ちょっと、階段から落ちてくる?

いや、このままいっそ、
突き落としてあげようか?」


じゃれあっているお姉ちゃんたちは
放っておいて、

一ノ瀬くんと、お菓子をつまむ。


「あのね、礼くんの部屋にね、

記入済みの婚姻届けのコピーが
額に入れられて飾ってあるんだよ」


「キモ!
あんた、そんなことしてるの?
引くわ〜、っていうか、それやめてよ」


「礼くん、すごく情熱的だよね♪」


またまた小突き合いながらじゃれはじめた、
お姉ちゃんと礼くんを微笑ましく思いながら
一ノ瀬くんに顔をむける。


すると、一ノ瀬くんがふたりを見ながら
声を落とす。


「なんていうか、
この環境でいつも通りニコニコと
笑っている天野が一番、すごい気がする」


んん?


そうなのかな?


呆然としている一ノ瀬くんに、
キョトンと首をかしげた。