貪欲に愛を欲す

「そんな中でも、唯一、親よりも誰よりも信用して尊敬してたジジイが居てな?
まぁ、何と言うか…
俺の親父たちの指輪も作った、
デザイナー的なやつだ。極道関係のな。

よく、家に来てて遊んでもらってた。
そいつは俺が15の時にコロッと死んじまって。

…最期に、渡されたのがそのピアスだ。
若が付けていてください。そして惚れた女が出来たらその女に渡して下さい。

なんて言うから、な。
まぁ…誰よりも傍に居てくれたジジイの最期の頼みを聞いてやるかと思って、ずっと付けてた。」

でも、約束だからな。お前に渡す。


そう言って微笑んでくれた鷹人。
きっと、このピアスを作ってくれた人が凄く大切だったんだろう。

鷹人の生きる世界で、心の拠り所だった人が居なくなって。その人から渡された、最期の宝物。

それをくれた、鷹人。

「凄く、いいお話ね。
ありがとう。大切にするねっ」

何だか、ピアスに重みを感じる。
そして、このピアスには鷹人からの愛を感じる。

幸せ、だな。

李鵬高校は頭がいい分、校則も緩い。
髪を染めている人も沢山いるし、制服を着崩すこともアクセサリー類も認められている。

…つまり、このピアスをずっと付けていられるということ。

何処にいても鷹人を感じれる。

私にとって、最高の喜びだ。