貪欲に愛を欲す

「やる。俺のモンって証だ。」

鷹人の耳から、私に付けられたピアス。

黒の羽の形のピアス。

「これって…」
鷹人の事も、噂程度でしか知らない私でも知っている。有名な、ピアス。

有名というか…
黒崎鷹人、鷹羽がいつも付けているピアス。

確か…鷹羽の黒羽。

ピアスにも名前が着くなんて、
と思うけど、黒崎鷹人が唯一大事にしているものらしく、

女の子は、鷹羽の黒羽に触れることを望んでいるとか。

「鷹羽の黒羽?」

「くくっ、そんな名前付けられてたなぁ?」

何だか面白そうな鷹人。

鷹人の大切なもの、
私が貰っていいのだろうか…

「大切なもの、何でしょ?
クラスの女の子たちが言ってたもの。
やるって…いいの?」

鷹人につけてもらったピアスを触りながら言う。

「お前だから、いいんだよ。」

私“だけ”。
鷹人の特別になれたようで。
凄く嬉しい。


「俺はまぁこんな職業だからな。
信用出来るやつもひと握り。裏切りが当たり前の世界で、生まれた時からTOPに近い俺は、尊敬するやつも特に居なかった。」

私だけが聞ける、
鷹人の本音。