貪欲に愛を欲す

「そうなんだ。」

「めちゃくちゃ嫌そうだな。」

嫌そうな顔をする麗と、
アイツらを拒否している麗に頬を緩める俺。

愁が、俺の女ということは、
何処に行くにも護衛が必要になることは麗も納得している。

「護ってもらうのは有難よ?私からもお願いしなきゃ。でも嫌だなぁ。」

「あぁ。話すな、見るな。」

こんな所でも独占欲全開の俺に内心苦笑する。

「それは、頑張るけど…」

煮えたぎらなず、はぁと溜息を零す。

「ま、いっか。」

「くくっ、軽いな。」

案外、軽い所もあるらしい。
少しずつ見える麗の1面。
その全てが愛おしい。

再び、キスを落とす。

麗は、甘い。
その甘さが気持ちいい。

「それにな、安心しろ。
お前を傷つけたやつは俺が消す。
義父も義母も、義姉も、嵐蓮も。
お前の身体に触れた馬鹿も
虐めなんて馬鹿げたことをした奴らも、な。」

麗の瞳が揺れる。

「いいよ。そんなことしなくて。
ただ、鷹人が傍に居てくれたらそれだけでいいもの。」