貪欲に愛を欲す

「俺の親父が作った族だ。
俺が8代目だった。」

暴走族、黒翁-Kokuou-
俺の父親であり、黒崎組組長。
黒崎狼牙【Kurosaki Rouga】が建設。

初代で東日本1位になり、
2代目で全国1位に上りつめた。

現在10代目も全国1位を守り続けている。
族の絶対的TOPだ。

「その、黒翁が李鵬高校を牛耳ってるの?」

「あぁ。そもそも、黒翁に入るヤツらは極道生まれの奴らが大半だからな。
家柄、頭もそこそこある。」

「へぇ、」と言いながらも何処か嫌悪しているような目。

「…瞳、嵐蓮-Ranren-の姫だったなぁ。」

ぽつりと零した言葉。
麗の漆黒の目は濁っている。

「嵐蓮?」

「…うん。私の住んでた辺りでは有名な族だったよ。そこの姫が瞳。
よく、犯されてたなぁ…」

「あ゛?」

聞き捨てならない言葉が聞こえた。
犯されてただぁ?
…潰す必要があるらしい。

「過去のことだからいいの。
でも、だから族には抵抗あるなぁ。」

諦めを示す声。

…嵐蓮とやらの暴走族にも麗の義姉にも腹が立って仕方がない。

…が、校内の中の護衛は黒翁に任せようと思っている。(不本意だが)