貪欲に愛を欲す

「頼むから、泣くな…」

私の前でだけ、私のことでだけ弱くなる彼が、愛おしい。愛おしくて、仕方ない。

もっと、もっと、もっと。

私に溺れてしまえばいいと思うくらいに…


「嬉しくて、泣いてるの。」
自分を怖がっていると勘違いしている鷹人に首を横に振って答える。

意味が分からないという顔で、
私の涙を親指で拭う鷹人。

「ふふっ、鷹人?もっと、もっと。
私に堕ちて?」


自分でも、狂っている自覚はある。

「私が貴方から離れることがあるなら、
それは貴方が私を捨てた時かな?
それ以外は、有り得ない。

嫉妬で殺されるなら、それが本望よ。」

私の言葉に、面食らった表情を浮かべた鷹人。
途端に、ニヤリと口角を上げ、
私の鎖骨に噛み付く。

噛み付かれた場所から流れる、赤。

それを妖艶な表情で舐める鷹人。

「ふふっ、私は貴方の檻の中で自由になるわ。」


貴方が私に限りのない愛を注いでくれるのならば、私は一生貴方に従う。

「ああ。安心しろ。出口はねぇから、な。
思う存分羽ばたけ。」


契約成立、と唇にキスを落とした。