貪欲に愛を欲す

そう思いながらも…

よしよしと頭を撫で、
「ふふっ、鷹人?一緒に住も?」

と言ってしまう私は、とことん鷹人に墜ちてしまっているらしい。

「あぁ。」
ニコリと笑う鷹人。

「麗の家は引き払う。
何か持ってきたいものはあるか?」

鷹人の気遣いが凄く嬉しいけれど、
物欲皆無で大切な物もない私は、
特別持ってきたいものなんてない。

…あ、あった。
「下着とか服とかは持ってきたい。」

じゃないと不便だもん。

「あ?そんなの買い直せばいい。
愁。持ってくるものは無いから、もう引き払え。今日から此処に一緒に住む。」

鷹人の命令に「了解~」と緩く返事した愁は、電話をしに部屋から出ていく。

「いやいや!買い直すなんて…
そんなお金ないよ…」
仕送りはある程度送ってくれたから、
バイトなんてしていない。

所詮、一人暮らしの庶民の私が
1式買い直すほどのお金なんてもちろんないわけであって、、、

伺うように鷹人を見ると、
お前何言ってんだ?と言わんばかりの顔。

「買わせるわけねぇだろ。
全部俺持ちだ。…よし、明日買いに行くか。」

今はもう夜の10時。

「明日に備えてもう寝るか」なんて言う鷹人の顔は、例えるなら…にやにや?にたにた?