麗side

「鷹人。鷹人。」
愁の名前を呼ぶことになってから、
とことん機嫌が悪くなってしまった鷹人。

私の腰に腕を回し、私の首にキスをしては、偶にキスマークを落としているけれど、
私の呼び掛けに答えてくれない。

「もうっ!」
独占欲丸出しの鷹人。嬉しいんだけど…
愁がいるから、恥ずかしさが優る。
怒って離れようとするけれど、
がっちり掴まれた腕から逃げれるはずもなく。

愁が居る前でキスマークをとことん付けられ、必死に声を我慢している状態が続いている。


「っ、も、っ!
ん~、ねぇ愁?さっき、鷹人にここに住めって言われたんだけど、いいの?」
それを愁に聞くのは何だか違う気がするけれど、一向に進まない状況を代打しようと、愁に声をかける。


「んー?鷹人もそういってるんだし、そうしなよ。家のことは俺がするし。」

それでいい?と続ける愁。

それにも答えない鷹人に、顔を向けると…

「なぁ、俺は?」
子犬のような顔で此方を見つめている。

訳が分からなく、首を傾げる。

「俺の名前は呼んでくれねぇの?」

いやいやいや…
さっきまでずっと呼んでたのに答えてくれなかったのは誰よ!?