貪欲に愛を欲す

「どういたしまして。」

ニコリと笑う彼女。

すごく大人びた彼女だけれど、
そんな所はやっぱり年相応の女子高生で…


こりゃ、惚れるのも分かる。


「…でも、水谷さんってすんごい他人行儀じゃない?」

そう。麗ちゃんも仲良くなりたいって思ってくれているみたいだしー、
そう思い、口にする。

「うーん、なんて呼べばいいですか?」

「えぇ、何でもいいの?
んじゃ、取り敢えず俺は麗ちゃんって呼ぶね? んー、だから、…愁きゅんって呼んで?」

彼女の、麗ちゃんの、年相応の本当の姿が見たくて。からかうようにそう言った。

「自殺願望があるなら早く言え」

…反応を見る前に、閻魔様の登場らしい。
うん。やばいよ?鷹人本気でキレてるよ?

やばいやばいと思いながらも、
鷹人が、独占欲丸出しなんて、と思う。

理不尽にキレられるのは慣れているけれど、女絡みでキレるのは初めてだ。

まぁ、でも…このままじゃ、ホントに死んじゃうからね。


「普通に、愁って呼んでよ。」

「うん。よろしくね。愁。」

うんうん。美人に名前を呼ばれるのは嬉しいね。