貪欲に愛を欲す

「ふふっ、私の事、無理やり抱く男達が口を揃えて言うんです。綺麗だね綺麗だねって。それが、嫌で…大嫌い、だったから。

と言っても、水谷さんに、あんな態度とっていいわけではないんですけど。すみません。」

そういった、彼女。

「何で、分かって…」

俺に出たのは、そんな言葉。

いや、でも何で分かったんだ。

声に出てたか?と思うけれど、
そんなことは無い。

「大丈夫。ありがとう鷹人。でも、水谷さんとは本当に仲良くなりたいから。ね。

…あっ、や、その…
なんと、無く、何ですけど。
綺麗って言った時の私の反応を、不思議がってる気がして。」

辛い過去を思い出させたんだ。
麗ちゃんを守るように、後ろから抱き締めるように出していた手に力を込めた鷹人。
…めちゃくちゃ驚きだけれど。

そんな鷹人の腕に自分の手を重ね、
感謝を言った彼女。


…洞察力、なんてもんじゃない、ね。

ここはあえて流石、鷹人が選んだ女ともいおうか。


すんげぇいい女。

ここで、ごめんねと言うのは、ただの同情だ。

だから、「うん。教えてくれてありがとう。」

と返す。