貪欲に愛を欲す

鷹人が堕ちるほど、あるな。


…それにしても、さっきの彼女を思い出すと、“紅のガーベラ”は禁句らしい。

まぁ、悪意に満ちた、そのあだ名を好んでいる方がびっくりだけどね。

…で、“綺麗”も、ダメみたい。

でも、こんな顔だ。

綺麗なんてごまんと言われているだろう。
それとも、言われ過ぎて嫌だとか?

んーと、頭を悩ませていると、
俺の耳に入ってきた、女の子らしい、ソプラノの可愛い声。

麗ちゃんは、それに、色気も含まれているから、ずるいよなぁ。と、考える。

「何か、質問でもあったら…答えます。」

目が合った途端、そんなことを言われた。
俺が、不思議がってるってなんで分かったんだろう。洞察力が素晴らしい。

それにしても、なんと答えようかな…

「何で綺麗って嫌いなの」なんて答えたら、一層嫌われそうだしなぁ…

んーと、頭を捻る。

「私の過去、誰かから聞きましたよね?」

いきなりそういうった彼女に、
ドクリと心臓がなる。

何故か彼女には嘘が付けなくて、
流れのまま、首を縦に振ってしまった。


そんな俺に…いや、自分自身に、嘲笑したような笑みを浮かべる麗ちゃん。