「ふふっ」

何だか、鷹人が嫉妬してくれているみたいで。凄く、嬉しい。

不機嫌な鷹人の機嫌を戻す為に、
鷹人の綺麗な漆黒の髪をゆっくりと撫でる。

気持ちよさそうに目を細め、
私の首筋に顔を埋めた鷹人。

か、か、可愛い…

可愛すぎて、写真を撮りたい。
いや、そんなことする時間が勿体ない。

なんて、葛藤しながら、
そんな鷹人を目に焼きつける。


「え、っと…甘すぎない?
え、何?鷹人キャラ変したの?」

そんな私は、水谷さんの声で現実世界に戻された。

けれど、鷹人は、マシンガントークを独り言として繰り出す水谷さんには興味がないようで、私の首筋に顔を埋めたまま。

…鷹人の匂いに、鷹人のぬくもりに、凄く安心した。

意を決して、強い目で水谷さんを見る。


「あの、さっきは本当にごめんなさい。
…良ければ、仲良く、して、下さい…」

“仲良くして”なんて、子どもじみただろうかと思うと、消え入る声を紡ぐ。

すると、ふにゃぁと、顔を緩めた水谷さん。


「うん。勿論。よろしくね。」

優しく言ってくれた水谷さんに、
笑顔を向ける。

そして、近ずき、私に差し出した手。