貪欲に愛を欲す

射抜くように見つめる水谷さんに、
コクリと頷きを返す。

「さっきはごめんね?嫌だったでしょ。
いきなりデリカシー無かった。ごめん。」
まさか、向こうから謝られるなんて思っていなくて、少々面食らった。

「こちらこそ、ごめんなさい。」

首を横に振り、「不愉快だったでしたよね」と続けると、

「ううん、全然~?
俺、そういう子好きだし。気の強い子をベッドであんあん言わせるの得意だよ~?」
なんて、卑猥な水谷さん。

…ガッと音がして、水谷に向かって何かが飛んでいく。それを、間一髪避けた水谷さん。

えっ、何が起こったの!?

そう思い、後ろの鷹人を見ると、
そこには、変わらない鷹人の顔。

「えっ、…今…」

「麗。気をつけろ。彼奴はお前を性的に見てる。糞だな糞。死に値する。」

そんなこと言って、極寒の視線を向ける。

「いやいやいや!?これ灰皿だからね?
普通に当たったら死ぬよ?え!死ぬよ?
ねぇ、麗ちゃん。」

いきなり話を振られて、戸惑う。

「死にてぇのか?」
冷たい声を出すと、首がちぎれるんじゃないだろうかと思うほど、横に振って、否定を表す水谷さん。