貪欲に愛を欲す

すると、俺の腕の中でフルフルと首を横に振った麗。

「ううん、何で、だろう、ね。
恋は盲目ってこと、かな?ふふっ、
鷹人に言われたらね、すっごく嬉しかったの。さっきの人は、嫌だって思ったのに。
…ねぇ、もっかい、言って?」

さっきの人とは、愁の事だろう。

麗の望む通り、
「綺麗だ。」と言うと、
頬を赤く染める麗。

「ふふっ、うれ、しぃ…
でも、恥ずかしぃ、な…」

本当に照れているのだろう。
目を細め、俺の胸板に顔を隠す。

“自分だけ”に嬉しいなんて女みたいだと思うが、俺だけの綺麗がいいという麗が愛おしい。


くくっ、本気で溺れてやがる。
この俺が、一人の女に夢中になるなんて、
世の中何があるか分からない。

「紅のガーベラ、は何でだ?」

こいつの通り名。“紅のガーベラ”は、
俺も聞いたことがある。

美しすぎる紅のガーベラだ。

「紅のガーベラの花言葉、知ってる?」

花言葉か…
生憎、花には滅相興味のない俺。
花言葉なんて知識はゼロに近い。

「知らねぇ。」

「やっぱり?紅のガーベラの花言葉はね、
“燃える神秘の愛” ふふっ、何だか素敵でしょ?すごく気に入っちゃってね。
繁華街にあるお花屋さんでガーベラばっかり買ってたからかなぁ?あだ名ついちゃった」