麗side

お互い何も喋らず、抱き合っていた。

「ピンポーン」
それは、チャイムが終了を伝える。

「来たか…」
鷹人はそういうと、先程から着ていたスーツの上から更に布団を被せ、私を抱き上げる。

そのままリビングに行き、
インターホンの前に立った。

「開いてるから入れ」
出たかと思うと、それだけを伝え、
リビングのソファに座り直す。

「…鷹人。誰?」
鷹人の首に腕を巻き付けたまま顔を出すと、
鷹人の漆黒の目と絡みつく。

「側近だ。話さなくていいからな。」

鷹人の言葉にコクリと頷く。

側近ってことは、極道かぁ…
スキンヘッドで怖めの人なのかなぁ…

そんな私の考えは即座に裏切られる。


「ったくもぉさぁ〜
いきなり女の服持って来いって言って開いてるから入れって酷くなぁい?」

鷹人の上に乗り、向かい合うようになっている私には、彼の姿は見えないけれど、
とりあえず…チャラいってことは分かった。


「っってぇぇ!?鷹人、その子…女の子?
ええ?えぇぇ?嘘でしょ?何これ夢?」
…マシンガントーク…

マシンガントークに耳が痛くなって、
鷹人に絡める腕を強くする。