貪欲に愛を欲す

叫び声、怒声、わちゃわちゃと煩い倉庫。

後に入った部下達が羅朱の馬鹿共を押さえている。

部下達が入ってから10秒後。
羅朱の倉庫に足を踏み入れる。

周りを見渡し、見つけた、マサの姿。

ベッドの下に転げ落ちたようにして、
殴られた所の怪我を庇うような仕草をしている金髪のマサを見つけた。

ゆっくりと歩みを進める。

んで、ベッドに居るのが…
羅朱のTOPの、上堂レイ【Kamidou】

…女の上に跨ってる?

知るか…と思いながら、何故か心臓が掴まれたような違和感がする。

顔も見えない、声も聞けない状況。
ベッドの下に落ちたスカートと、見える長髪で辛うじて女と分かるくらい。

…何なんだ…


そう思いながら、歩くスピードを上げる。

そして、俺を視界に入れたマサ。
「マサ、これは痛てぇぞ。」

俺の言葉に目を見開いたマサ。
そして、上堂の背中を蹴り、壁までぶっ飛ばす。

「っっ、若っ!すいやせんっ!」

マサが俺に頭を下げる。
が、失態を犯したのは此奴。
俺の組…黒崎組では甘んじたことは許されない。

上堂よりも少し手加減をして、
マサも蹴って吹っ飛ばす。