鷹人side

「ちっ、あぁ!?」

部下の失態に舌打ちを零す。

部下の失態、とは
羅朱というグループに入り、薬をしている証拠を集めているマサが羅朱のTOPにバレ、
ボコボコに殺られた挙句、羅朱に捕まえられたという何ともアホな失態。

マサにならと任せた筈なのに、失敗に終わった事への怒り。そして、自分の下に手を出された事への怒り。

「ちっ、20人ほど集めろ。羅朱の倉庫に突撃だ。証拠は十分では無いが、俺の下に手を出した時点で殺す理由は十分だ。」
傍にいた愁に指示を出す。

そのまま、黒崎組本家を出て車に乗る。

後ろから、黒崎組面子が車やバイクに乗って着いてくる。

「はぁ、これくらいの事で失敗するなんてさー
マサも調子に乗っちゃったのかなぁ?」
緩い喋り方だが、目が笑っていない愁。

「ちっ、てめぇが教育し直しとけ」

俺の言葉に「えーやだよー」なんて悪態をつく愁

「…それにしてもさぁ、若自ら行くなんてねぇ」

愁の言う通り。
羅朱の倉庫に突撃し、薬の常習犯として
サツに突き出すのみの仕事。
俺が行くほどのことでは無い。

「…知らねぇ。身体が何故か動いてた」

別に、マサに特別肩入れしている訳では無い。