貪欲に愛を欲す

うんうん、と頷いていると
ふとあることに気づく。

「てか鷹人、麗ちゃん遅くない?」
俺の珈琲を容れに行ってくれてから、
結構な時間、鷹人と話してたと思うけれど、麗ちゃんは一向に帰って来てない。

「あ?あぁ、
麗、戻ってこい」

少し大きめの声で麗ちゃんを呼んだ鷹人。
直ぐに、麗ちゃんがリビングにやってくる。

俺の珈琲を机に置いて、甘い声で「どうぞ」と言った麗ちゃんは、そのまま鷹人の足の間に座る。

…え、何これ。

さも戻ってこないことを分かっていたように麗ちゃんを呼んだ鷹人。
何事もなかったかのように戻ってきた麗ちゃん。

「ん?待って、麗ちゃんなんで直ぐに戻ってこなかったの?」
麗ちゃんの姿が見えたら、直ぐに話を辞めるはずだった。

もしかして、さっきの話を聞かれんじゃ…?

「なんでって…愁の顔つきがちょっと違ったから。大丈夫よ?お仕事の話だったんでしょう?何も聞いてないわ。」

安心して、という風にニコリと笑うと、
自分の髪に指を通す鷹人に甘い笑みを返している。

俺の顔つきって…
それで、空気を読んで待ってたってこと?

「一瞬麗が見えただろーが。
てめぇを見た瞬間戻りやがって。俺の顔見るのが先だろ?」

ったく…と言いながら麗ちゃんの首筋に何度目か分からない終着の跡を残す鷹人。