……

ようやく鷹人の家に着き、
インターホンを押す。

ウキウキと待っていると、開いた扉。

「ふふ、愁いらっしゃい。」
うう天使ぃぃぃぃ!!!

麗ちゃんは笑う時、左側に顔を傾げる癖がある。その時、相手が心を許している人間だったら左肩を少し上げるらしい。
…鷹人から教えてもらった。

その場に鷹人がいるなら左肩が上がる。
俺一人だったら、まだダメらしい。

まぁ、それくらいでへこたれる俺じゃぁないけどね?

「麗ちゃん可愛いねぇ。」
思ったことをそのまま口に出す。

勿論、毎日毎時間毎秒可愛いけど。
でも何だかテンション高いみたいだから。

「なぁに?おだててもなにもでないよ?
それに、愁ご愁傷さまっ。」
…麗ちゃんの笑顔に背筋が凍る。

何だかやばそうな予感。
いや、この場のやばいことなんてひとつしかないんだけど。

まあ、ルンルンな調子でリビングに戻る麗ちゃんが可愛くて後ろをついて行くけど。


リビングの扉を開けて1歩を踏み出す。

…と、飛んできた灰皿。
勿論想定内だから1歩下がる。

これ当たったら死んじゃうよねぇ~

「鷹人ってばー、怖いねぇ?」
と割れた灰皿を回収する。