「へえ!おふたりでごゆっくり!
お邪魔したっす!」

露骨に追い出しにかかった鷹人だけれど、
何故かマサさんも笑顔なので、
何も言わないことにした。

……

マサさんが帰ってから、
デレデレの顔で私の身体中にキスを落とす鷹人。

「ふふ、鷹人上機嫌ね?」

「あぁ。ふっ、麗?寂しかったか?」
分かっているくせに言わせるあたり、意地が悪い。

「…ちょっとだけ。」
まぁ、答えてしまう私も相当鷹人に溺れている。

「くくっ、可愛いな。
家に帰ったら浮気中だったけどなぁ?」

呆れたような声。
鷹人の目を見ると、ゆらゆらと揺れている嫉妬の炎。

「浮気って…鷹人への訪問者の相手をしていただけでしょう?」

「あ?相手、なんてもんじゃなかった。
距離は近ぇ、話には夢中、簡単に笑顔を見せやがって。浮気じゃねぇか。」

ふふ、本当に…
嫉妬深くて、愛しい私の男。


「ごめんね?不安にさせちゃった?
でも…鷹人の家族に認められたかったの。
嫌われたくなくて。」

こういうのを外堀を埋めるというのだろうか。

「…ちっ、お前にはホントに弱ぇ。」

吐き捨てた鷹人。
ごめんねという意味で首筋に唇を這わせようとした時…

「ピンポーン」

…「ふふ、誰かな?」
インターホンに近づく。

「ちっ、邪魔しやがって殺すぞ」
ふふ、また機嫌が悪くなっちゃった。