「若姐さんっ、触らず守るっす!」

マサさんに何かの熱が入ってしまった。
けれど、正直、凄く嬉しい。

鷹人の周りの人に認められた気がするから。

「ふふっ、ありがとうございます。
それよりも…その、若姐さんって何ですか?麗でいいですよ?」

何だか呼ばれなれない名前で言われると
違和感がしてしまう。

「…マサ?」
分かってるよな?と言わんばかりの鷹人。

「若姐さんは、若の妃って意味っす!
お名前で呼ばせていただくなんて畏れ多いっす。組の人間は皆若姐さんって呼ばせていただくっす!」

何故かニコニコと上機嫌に話すマサさん。
呼ばれ慣れないけれど、それが組のルールみたいだから。
私も、それにのっとらなければいけない。

「なるほど。ありがとうございます。
それじゃあ…えっと、正直まだ慣れないのでこれから慣れていきます!
ふふ、何だか嬉しそうですね?」

「お前も、声が弾んでるぞ?」

優しく頭を撫でてくれる鷹人。
バレてしまっていることについ顔が紅くなる。

「ふふ、バレちゃった?
だって…若の妃なんて、ふふっ嬉しくって!」

鷹人も機嫌が良さそうに私のこめかみにキスを落とす。

「…お前、くそ可愛いな。
よし、マサ帰れ。」