「…李鵬に通え。」

「へぇ!…へ、ぇ。」

何故か嫌そうに吐き出した鷹人。
混乱するマサさん。
カオスの到来ね…

「鷹人、私から話していい?」

私の事だもの。私からお願いをしなければいけない。

「……………あぁ。」
迷いに迷った末に了承してくれた鷹人。
ありがとう、と鷹人の手に自分のを絡ませる。

「私、今高校2年生で李鵬高校に通わせて頂いています。送り迎えは鷹人…神代さんにお世話になっているんですが、校舎内の護衛について少々問題があって…」

実際これは、私が我慢をすればいいだけの話なんだけれど。
けれど、気持ちよりも身体が拒否反応を起こしてしまっているし、鷹人も他の人に頼む気満々みたいだったから、

甘えさせてもらうことにする。


「俺に、やらせてくだせぇ。」

全てを言い終わる…私がお願いしますと頭を下げる前に、頭を下げたマサさん。

…どうして?と戸惑いで頭がいっぱいになる。
鷹人の女とはいえ、よく分からない女の護衛なんて嫌がられることなんて100も承知で言ったのに。

「ふっ、だろうな。」
当たり前だと言わんばかりの声色の鷹人。

意味を教えて欲しくて鷹人を見るけれど、緩く首を横に振ってあしらわれる。