「ふふ、ごめんね。
大嫌いなんて言ってみただけ。愛してる。」

「言ってみただけでも傷ついた。
麗、責任持って俺の機嫌を治せ。」

さっきまで一生懸命期限を治して貰おうと頑張ったけど治ってくれなかったじゃない。

また不貞腐れちゃった鷹人の頭を撫でて、耳元に口を持っていく。

「ふふ、後で…ね?」

甘く囁いて、耳たぶを甘噛みする。

途端、鷹から狼に変わった鷹人。
口角が上がって、妖艶な目で私を見ている。

…いや、やっぱり狼じゃなくて鷹だなぁ。
鷹の…獲物を狙うような、目。

鷹人の名前にもある、鷹。

本当、カッコよくて…狡いくらい。

「今すぐ、がいいが。まぁ焦らしプレイならやってやる。」
カッコイイのに…狡いのに…
どこかズレている私の彼氏様。


「マサ、お前を呼んだのは仕事があるからだ。今週は…家から出さねぇから、来週からだな。」

鷹人が煙草を取り出すと、一瞬のうちに灯った火。

流れるような一連の動作でマサさんが火をつけた。

「へぇ。何なりと。」
鋭くなった目付き。身構えるようなポーズをとるマサさん。

はぁと鷹人が息を吐き、
鷹人の口から出てきた煙が天井に届く。