「えっ、言われたっす!」

「あ゛ぁ゛?言ってねぇ。」

「ひっ、い、言われてないっす!」

鷹人の脅しともとれる声にNOを覆して首を縦に振るマサさん。

まぁ、誰がどう見ても分かるように
マサさんが言っている方が正しいんだろうけれど。

「鷹人、言ったの?」
出来るだけ、優しい声を出す。

「嘘は、嫌よ。大嫌い。」
勿論、本気で言っている訳では無い。

そりゃあ、嘘なんて大嫌いだけれど、自分を守る為に私自身も何度も嘘をついたし。

けれど、こう言わないと鷹人は本当のことを言わないだろうから。
本当のこと言ってくれないと…

話が進まない。さっさと進めたいんだけど。


「…言ったかもしれねぇけど今すぐってのは早くって意味で今じゃねぇ。」

、、、

「ふふっもぉ。」

鷹人の意味の分からない弁解に吹き出してしまった。それに、言ったことは認めないみたい。ふふ、頑固だなぁ…

頑固で、意味分からなくて…

「可愛い」

頭を再び撫でると、私の肩に頭を埋める鷹人。

「可愛いなんて嬉しくねぇ。
…嫌いなんて、言うなよ。」

拗ねた声を出す鷹人。
顔を覗き込もうとすると、反対を向かれてしまった。