貪欲に愛を欲す

鷹人の表情は嫉妬している時のそれと同じで。

鷹人は特に潔癖なところがある訳じゃない。

勿論、極道の人間として自分の中で様々なバリアを張っている。
その中に土足で踏み入れる人間を赦しはしない。

黒崎組の人間は鷹人にとっての家族だし、
マサさんはバリアの内側の人間。

家に入れるのが嫌なのではないだろう。

きっと、私が“ゆるした”って事が嫌なのだろう。

ふふ、本当に、嬉しい。

「鷹人、貴方の大切な人は私の大切な人よ。」

ただ、それだけ。
鷹人にとっての大切なものは私にとっても同等のもの。

「マサさん、どうぞ。」

鷹人の手を取り、リビングに進む。
後ろにはちょこちょこと歩くマサさん。

「…彼奴は大切じゃねぇ。」

ギロりとマサさんを睨んだ鷹人。
…喋らないと思ったら、そんなこと?

零れてしまう笑いを抑えるために口元に手を当てる。

そんな私に、「ちっ」と舌打ちを零す鷹人。


そんなこんなでリビングにつき、
マサさんと鷹人がソファに座る。

「マサさんは珈琲でいいですか?
ホットとアイス両方ありますけど…」

最低限のおもてなしはしようと
飲み物の注文をとる。