俺たちは、顔を見合わせる。

勿論、全員口元は緩み、嬉しさが隠しきれない。

「「「ありがとうございますっ!!」」」

嬉しさと感謝が入り交じり
声色も明るくなる。

「はいはい。それじゃあ麗ちゃんの所に行こぉ~。上司にこき使われて後輩のお願いも聞くんだから頭撫でてもらわなきゃねぇ~」

俺達のことなんて興味も失ったように
ルンルン調子で愁さんが倉庫を出る。

上司とは、鷹人さんの事だろう。
多分…こき使われたんじゃなくて勝手に着いてきただけだろうけれど。

俺たちは立ち上がり、明日に向かって伸びをする。



…もしひとつ願いが叶うならば、
この時の顔を見ておきたかった。

この時の自分の顔が鏡で見れたならば、

きっと自分の気持ちに気づいていたはずだから。