貪欲に愛を欲す

玲於side

突然にかかった美作さんからの電話。

先程まで眉間に皺を寄せ、目を合わせることも出来なかった鷹人さんの周りの空気が急激に変わったのが手に取るように分かった。


そもそもの原因である、
俺たちの愚行。

考え無しに動いた結果、
彼女を傷つけてしまった現実。

自分の不甲斐なさと、鷹人さん…美作さんが唯一愛する人との差を見せつけられた気がして、胸が抉られるように痛い。


「…俺に任せろってさ~適当だよねぇ?」

俺の心なんて知ってか知らずか
いつも通りの愁さん。

相変わらずの緩さの声で
ブツブツと鷹人さんへの文句を口にしている。


「愁さんっ、あの…俺ら…
本気で美作さんと仲良くなりたいんです!
だから…護衛解除は…それだけは…」

力なく言葉を紡ぐ岳。

岳が美作さんと仲良くなりたい…
助けたいって思っているのは、本心だ。

面白そうだから、綺麗だからなんて不純な理由ではない。

美作さんのあの目…
俺たちに向ける、無の目が、
昔の自分にそっくりだからだ。


親に捨てられて親戚の家をたらい回しにされていた岳。その時の岳は、美作さんのような目をしていた。

それを助けて下さったのが鷹人さん。

当時は面子の1人だった鷹人さんが、
いきなりこの倉庫に連れてきた。