貪欲に愛を欲す

「えええ匂いだけで!?犬!?犬じゃん!?」

ちっ、うぜぇ。誰が犬だ。
軽く睨みをやると、降参ポーズをとる愁。

ちっ、最初から言うな。

「彼奴は俺のだ。俺以外触る権利はねぇ。
麗の“特別”になるのも、麗を救うのも俺だ。」

一丁前に盛んな餓鬼。と付け加える。

俺の言葉に、悔しそうな顔をしている幹部たち。
…唯一、玲於だけが挑戦的な目をしている。

「…言いてぇことがあるなら言え。」

ちっ、思ったよりもドスの効いた声が出た。
そんな俺の声に顔を青くしている面子。
こんなんで全国一か。

呆れと嘲笑を混じえて溜息を零す。

「…いえ。俺たちの落ち度です。
すみませんでした。」
自分を宥めるかのように吐き出した言葉。
玲於が深々と頭を下げる。

なんだかなぁ?気に食わねぇな。

考えが大人になったのかもしれないが、
まるであいつらが、自分の非を“認めてやった”ようで、なぁ?


…餓鬼の心情を煽るために、
まぁ1番は、さっさと帰るために。

「そういう事だ。
ということで明日からの護衛は黒崎組本家から出す。2日間ご苦労だった。」

もう言うことは無い。
と示すように目を閉じる。

それでも何の反応もないので、
来た道を戻ろうとした時。