貪欲に愛を欲す

岳の方に足を進め、前に立つ。

即座に胸倉を掴みあげる。

「鷹人っさっ、」
苦しそうに顔を歪める岳。

…その時、鼻に触るような匂いがした…

繋がる、答え。

「…お前か…」
ポツリ、と吐き出した言葉は、
幹部や愁はおろか、岳でさえも上手く聞き取れなかっただろう。

持ち上げた岳の身体を右足で蹴って突き飛ばす。

数m先に飛んだ岳の身体。
ゆっくりと追いかけ、再び足を振り上げる。

1発顔面に入れたところで、拘束された身体。

「鷹人、そんなことの為に来たんじゃねぇよな?」
軽さの抜けた愁。

まぁ、先代が卒業した倉庫で暴れるなんて聞いた事ねぇな。
そんなことしたら、問題になりかねない。

くそむかつくが、辞めるか。

「ってことで…鷹人?いきなりどうした?」

「…岳、次麗に触ってみろ。次は消すぞ。」

愁の質問にも答えになったはずだ。
愁に目を向けると…

有り得ないというように目を見開いている。

「…え?ううん、待って?
鷹人…何で分かったの?」

「それよりホントに触ったの~?」と聞いた愁に、すみませんと頭を下げた岳。

表すのは、肯定。

「麗からあの馬鹿の匂いがしたんだよ。」