貪欲に愛を欲す

「先代の命令を破ってしまったことと…
美作さんを、傷つけたことです…」

「…何がしたかった?
本気で友達になりたかったとでも?」

黒翁は、それなりの家の奴ばかりだが、
だからこそ、簡単に人を信じない。

特に、玲於に関しては生粋の女嫌いだ。

そんな奴らが、俺の女というだけで友達なんかになりたいなんて思わない。

「…美作さん、が、俺たちに向ける目は…
すっごい、冷たいんです…」

土下座したまま言うのは、幹部の岳。

そりゃあそうだ。麗は聖女でもなんでもない。生い立ちから人を簡単に信用出来ず、土足で自分の領地に踏み込んで来る人間には毛並みを立てて警戒を表す。

「美作さんに闇があることは分かってて…
だからこそ、俺たちが守りたいんですっ!」

ガバッと効果音が着きそうなほど勢いよく面を上げた岳。
他の幹部は、同意見というように無言を貫いている。

「…つまりさぁ、顔が良くて闇がある“面白そうな”麗ちゃんに気に入られたいっていう下心ってことでおっけ~?」

不快心を表すように眉間に皺を寄せる。
俺も、全く同じ気持ちだ。

…愁の言う通りだな。

「そんなことっ!」

それでも尚、反論をしようとする岳。