貪欲に愛を欲す

心の中で、ごめんっと叫ぶ。

…百合は優しいから、きっと味方をしてくれる。
けれど、そんなことをしたら、今度は百合がハブりに合う。

私のせいで、再び彼女がそんな思いをするなんて…絶対に、嫌。

だから、彼女を被害者にするために、突き飛ばした。

「1人にして」
小さな声で、百合に言う。

…百合は、傷ついただろうか。
ううん、嫌われちゃったかもしれない。
それでも、いい。
百合がクラスで上手くやっていけるなら。

その場から逃げるように教室から出て、
トイレに向かった。

…変わりたいとか、強くなりたいとか言って、結局私は何も変わっていない。

結局私は、弱いまま。

トイレの個室に入り、目を閉じると…
最初に出てきた、鷹人の顔。


…きっと今、鷹人を頼っちゃダメなんだと思う。けれど、でも、それじゃ…無理…

ポケットの中から、スマホを取り出す。
慣れない手つきで、鷹人に電話をかける。


プルプルプル…と続く発信音。
けれど、出る様子はない。

それだけで涙が出てくる。

胸が痛い。苦しい。
さっき、男の人に掴まれた所は蕁麻疹が出来ていて、虫に刺されたように腫れている。

助けて、鷹人。
助けて。