貪欲に愛を欲す

「は?」
呆れたように放たれた、百合の声。

「俺ら、美作さんのこと知りたいんだ。」

幸村くんが、滅多に見せない“本当の”顔で、続きを話す。


…いきなり、なに?
いや、いきなりでもないのかも…

昨日、私がパニックになった時彼等は傍に居た。それを不思議がるのなんて当たり前だから。私の過去が聞きたいのだろうか。

私のことを知りたいって、そういうことでしょ?

「俺らが、美作さんのことを守りたい。」

私の心が冷えていくのが分かる。

守りたいって…何?
知りたいって…何を?

様々な疑問が複雑に入り交じる。
ただ分かるのは…彼等への、拒絶心。


…こういう人達、過去にも沢山いた。

家庭のことを聞き出してくる教師とか。
俺が守るなんてぬけぬけという男とか。
色々噂のある私に近づいて、自分だけが本当のことを知っている優越感に浸り、話を盛って流す人達。

…吐き気がする。

ニコリと笑う。
口を開こうとした時…

「うん。だから護衛してんじゃん。
それで十分じゃん?
麗ぁ、んでココ教えてくれい?」

…百合。
差し出されたノートには、
“仲良くなりたい?”と書かれていた。

きっと、私の反応で感じ取ってくれたのだろう。

本当に、百合と友達になって良かった。

ふるふると首を横に振る。