貪欲に愛を欲す

麗side

パチッと目を開けると、
そこは見慣れた天井。鷹人の家。

何だか重い身体を起こすと、
さっきの事が鮮明に思い出される。


瞳の声、顔、言葉。
…あぁ、そうだ。鷹人と瞳が会ったんだ。
あの目…あの、瞳の目。

私の大切なものを奪おうとしている時の目。

あぁ、そっか…また、奪われるんだ。

その証拠に…
いつも、私を抱きしめてくれている鷹人は
ここには居ない。

やっと、唯一の人を見つけたのに。
また、奪われるの?

私の心は、真っ黒に染まっている。

「俺、瞳と付き合うことになったから。」
「お前、瞳と違って可愛げがないんだよ。」
男たちに言われた言葉を思い出す。

色んな男に抱かれた汚い私。
やっぱり…やっぱり、鷹人も嫌だった?

やっぱり、鷹人も瞳がいいの?

そう思った瞬間、頭に浮かんだのは
鷹人と瞳が抱きしめ合う光景。

…い、や。やめて。
鷹人は、私の…

「いや゛ぁぁぁぁ」

何度頭を振っても、出ていかない光景。
鷹人の冷めた目を思い出す。

そして思い出す、瞳の勝ち誇った顔。

溢れ出す涙が、頬を伝う。

身体を丸めても、解決しない恐怖が私を襲い、もうどうすることも出来ない。


…あぁ。でも、私は知っているじゃないか。
私は鷹人に捨てられたら、

イキテイケナイことを。

「やめでぇぇぇ…」

「麗っ」