貪欲に愛を欲す

そして、あと数歩で横切るという時に、
囲まれている女子生徒の制服がしっかりと見えた。

黒のブレザー。赤のチェックのスカート。
…あれは、ついこの間まで私が着ていた、
波佐間高校の制服。

そして、、

「えっとぉー、人を探してるからぁ…」
耳に触る、猫撫で声。

反射的に顔を下げる。

途端に、発せられた、
「あぁっ!」
泣きそうな声をした、弱々しい声。


この声で、全てを思い出す。

私は所詮汚い紅のガーベラだということを。
…私の幸せとは、絶望の予兆ということを。

百合と繋がれていた手が離れ、
代わりに私に抱きついた身体。


「麗ぁ、探したんだよぉ?心配したんだよぉ…無事で良かったぁ…」
私の肩で涙を零す、女。


「…瞳」

私の、義姉。
私を、絶望に落とした女。



また、全てを奪っていくの?
また、全てを奪いに来たの?