貪欲に愛を欲す

「…やっぱりファンとかいるんだね?」

鷹人とお出かけした時に分かったけれど、
地位のある人と一緒にいると、
必ず批判の声が上がる。

学校ではなるべく落ち着いて生活したかったんだけどなぁ。

「ぶっはは!黒崎の若の女って時点で落ち着いて生活なんて無理っしょ!」

お腹いたーなんて笑っている百合。
…声に出ていたらしい。

「黒翁はね、姫は絶対取らないから、姫になりたいなんて思うバカ女はいないけどさ、
幹部の人達はそれぞれに人気だから、
姫じゃなくて彼女になりたいって人が多いの。」

百合の説明にふむふむと頷く。

「そりゃあ家柄良し顔良しで全国一の黒翁様だからねぇ?」

「大変だなんだね」

自分の外見しか見ていない人達から好意を寄せられているなんて、私は嫌だ。

「ま、実際は鼻の下伸ばしてるかもよ〜?
あ、学食にもさぁ、黒翁の幹部しか入れない場所があんのよ。ど真ん中に、2階になってる所。」

…すごいとしか言いようがない。
鷹人も、黒翁が李鵬を牛耳っていると言っていたけれど、そんなに権力を持ってるなんて。

「へ、へぇ…」
苦笑い。

「ウチはそんな暴走族よりも紳士系の王子様がいーわ。あ、麗の恋バナ教えてぇ?」