貪欲に愛を欲す

…この人の笑顔、嘘なんだと思う。

私が幼き時から学んだ、被害を最小限に生きるための方法に、
八方美人でいることがあげられる。

笑っておけば、楽だから。
笑顔を振りまいとけば、どうにかなるから。

きっと、この人も同じだと思う。

「あぁ、一緒だな…」
つい、声に出た。

まるで鷹人と出会う前の私に見えて…
可哀想だと思ってしまったからだ。


「ん~何か言ったぁ?」

途端に聞こえた声に、顔を上げる。
声の主は私の前に座っている女の子みたいだった。

黒髪の毛は少し巻き、サイドの髪を三つ編みしている。
うっすらメイクもしてあり、
ニコニコと笑う彼女。

清楚系の可愛い子。


「あ、ううん。
えっと…名前、教えて貰ってもいい?」

自分でも分からないけれど、彼女とは一目見て友達になりたいと思った。

私の言葉に、少し目を見開き、
優しい笑顔をうかべた彼女。

…こういう、彼女の内面の良さが出ているような笑顔に、そう思ったのかも。

「うち、白藤 百合【Shirahu Yuri】!
百合って呼んでみそ?よろしくぅ~!」
…外見を表したような可愛い名前。

…中身は、ギャルっぽい。