貪欲に愛を欲す

数歩歩いて、少し高くなっている教壇に立つ。

前を向くと、7割が男子高生で。
ついびくっとなる。

けれど、中にはさっきいた人たちもいる。
幸村さんも、見つけた。

ふぅと息を吐いて、口を開く。


「初めまして。美作麗です。
えっと…よろしくお願いします。」
ここで、波佐間高校から来たなんて言った日にはもうバッシングの嵐だろうから、(不良高校だから)元いた高校は伏せる。

ぺこりと頭を下げると、
ぱちぱちと湧き上がる拍手。


…それから聞こえた、
「きれー」「めっちゃタイプなんだけど」
という声。

嫌な言葉を耳にして、つい身体が固まる。

けれど、「よろしくね。」
と、数人の女の子たちが手を振ってくれた。

…それだけでも、暖かくなる心。


うん。やっていけそう。
鷹人、頑張るね。

「はいはーい。それじゃあ美作の席は
あの空いてるところだからなー」

と、志田先生に刺された席に向かう。

窓側の1番後ろ。


…何とか、自己紹介は出来た。
と息を吐く。

席に着くと、隣には幸村さん。
ぺこりと頭を下げると、微笑みながら頭を下げ返してくれた。

…瞬間芽生えた、同族意識。

鷹人や愁とは違う、気持ち。