貪欲に愛を欲す

「此奴、愁の親父だ。」

「やっぱり。」
だよね、名字も同じだし…
マシンガントークだし。

何だか予想はしていた。

「あんな馬鹿息子に育てた覚えはねぇんだけどなぁ?」

「お前にそっくりだ。」

理事長先生には悪いけれど、
うんうんと首を縦に振ってしまう。

「ああ?冗談はやめてくれ。」
…全然冗談じゃないです…


内心ちょっと呆れている私。

そんな私をほっといて、
理事長先生は、私の担任を呼ぶために放送をかける。

「あんなやつだが信用は出来る。
もし何かあったらここに来い。」
頭を撫でてくれる鷹人。

何処までも甘く、優しい彼。

「うんっ」と返事をする。

放送が終わってから、またどこかに電話を掛けている理事長先生。

私と鷹人だけの空間が出来ているから、
重い口を開く。

「ねぇ鷹人、仲良く出来るかな?」

此方をチラリと見て、
「黒翁か?」と言った鷹人。

首を縦に振る。
本当に、鷹人は私のことを分かってくれる。

「私ね、さっき黒翁の人達を見て…
鷹人の大切な人達なのに、嵐蓮を思い出しちゃったの。」

鷹人が私を腕の中に入れる。
鷹人から香るミントグリーンの匂いは私を安心させる。