貪欲に愛を欲す

トラウマや過去なんて簡単に消えるものでは無い。

頭では分かっていても心は伴わない。

…愁や神代さん。鷹人に温めてもらった心が冷えていくのを感じる。

心とは別に、顔に浮かべたのは笑顔。
「初めまして。美作 麗です。
護衛をしていただくそうで、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

ぺこりと頭を下げる。
…今の私は、紅のガーベラだ。

鷹人に愛してもらって捨てたはずの
紅のガーベラ。

…どうやら私は未だに過去に囚われている弱者らしい。


「「「はいっ!お願いしますっ!」」」

それに笑顔で答えてくれた彼等。


見ず知らずの女を、受け入れてくれるという彼等。鷹人のお願いだからだろうが、
そんな彼等を前にして…

どれだけ自分が汚い女なのか、見せられた気がする。

「俺が総長の幸村 玲於【Yukimura Reo】です。美作さんとは同じクラスですので、基本俺が主に護衛させていただきます。
よろしくお願いします。」

ぺこりと頭を下げた彼に、私も頭を下げる。

「…理事長室に行く。
お前ら、しっかりな。」

鷹人の声に、「「「はいっ!」」」
と元気よく答えた彼等。

鷹人が私の腰を抱いて、歩みを進める。