「鷹人もおはよ~」
「死ね」

…朝から辛辣。

「え、朝から酷くね?ねぇ麗ちゃん。」

話しかけられたところ悪いけれど、今ここで愁を庇うと私の身にも危険が及ぶ。

「あはは」
だから適当に笑って流したら、
口を尖らせた愁。

「鷹人に毒されすぎじゃなあい?」

「てめぇは」
「ねぇ鷹人、何時まで一緒にいてくれるの?」

自分の置かれている場所を分かっていない愁が要らない言葉を言うので、
違う話題を持ってくる。

「ちっ」
…私が愁を庇ったのが気に入らないらしい。

愁を庇ったというか、自分に危険が及ばないようにしただけなんだけどな…


動き出した車。
こんな中でも何も反応を見せない神代さんは、私の憧れに近い。

「お前がずっと居てくれって頼むなら
仕事休むぞ。」

「ううんそれは辞めてね!?」

確かに、それはダメだけど…

「てめぇには言ってねぇ。黙れ。」
うん、愁も余計なこと言わないでよ。

「鷹人は仕事して?
本当に、居れる時間だけでいいから。」

…ずっと一緒に居て欲しいのが本音だけれど、鷹人の仕事を邪魔するのはダメ。

「ちっ、昨日言ったようにお前の護衛を黒翁に頼んでいるから、黒翁の幹部に合わせてから理事長室に行くまでだ。」