麗side

この世に生を受けて18年。
自分の容姿は理解している。

ハーフ?なんて何度聞かれたかも分からない、
彫りの深い二重。
必要のない涙袋。
無駄に筋の通った鼻。
何時も赤く染った唇。
遠慮気味に垂れた眉。
薄ピンクに染った頬。
膨らんだ胸。
手入れをしなくとも痛みを知らない黒髪。
食に執着のない為か無駄な肉を付けていない体。
極め付き、なんていわれている唇の斜め下に位置する黒子。


『紅のガーベラ』とあだ名をつけられ、
売春女なんて言われている私、美作麗。

美しい、なんて言葉嬉しくもない。
クソ女、なんて言葉悲しくもない。
そんな言葉をかけられるのは、日常。


“麗”をみてくれるなら誰でも良かった。
“麗”を好きになってくれる人よりも大切で愛しいものはない。
…そんな人は、いないけれども。

告白を断ったことも無いし、
付き合っている間は浮気も何もしない。


けど、結局彼らは麗の見た目しか見ていない。

綺麗な彼女を持つ自分が好きなだけ。

友達になった女の子たち。

何度も遊んで、何度も笑いあって。

けど、結局「私、瞳と友達になったから」と言われて私の元から去っていく。