ステージに立つ……。 『その日のために』ではなく、『3人が輝くために』。 かけがえのない時間を過ごしたい。 揺らいでいた気持ちは固まった。 「ステージ立つなら、今日から曲決めとか始めたほうがいいよね」 「……美桜っ!」 千夏が私に抱きつく。 その背中に、手を回す。 本当に、千夏はダンスが好きなんだな。 それ以上に、私たちのことを大切にしてくれている、と思う。 「葵は、どんなダンスやりたい?」 私が問いかけると、葵は少し驚いたように、 「やる気、満々じゃんーっ」 と、笑った。