「うん。…うんって自分で認めるのも微妙だけど、」


あはは、と曖昧に微笑む彼女は、嘘をついているようには見えない。


…聞いてみるか。


そう思って、


「…萌花ちゃん、さっきの電話の時に聞こえた男の声で彼氏かなって思っちゃたんだけど…」


と、素直に疑問を投げ掛けた。


一瞬、きょとんとした表情で俺を見つめる萌花ちゃん。


先程のやり取りを思い出しているのか表情がコロコロ変わる。


すると、


「あ!もしかして充希のことですか??あは、彼氏じゃないです。さっき話してた可愛げのない弟ですよ~」



お、弟…マジかぁ、よかった…



萌花ちゃんのその一言に俺は安堵した。