「ちょっと、今電話してるんだからあっち行ってて!」
萌花ちゃんの声が遠くなる。おそらく声が入らないようにスマホを離して会話をしているのだろう。
「…あ、先輩。すみません。お話の途中だったのに、そしたら15時に公園にいきますね」
「…うん、それじゃまたあとで」
ピッと、ボタンを押し通話が終了したのを確認して俺は先程の声の主について思考をめぐらせる。
今のって…彼氏か?
萌花ちゃん、普通に可愛いし彼氏くらいいる、よな…。
ズキンと、胸が痛むのを感じ俺は驚いた。
俺…結構ショック受けてる?
…は?マジか…。俺、萌花ちゃんのこと…。
気づいてなかった気持ちを自覚し、俺はため息をこぼす。



