「ゴメン、驚かせたよね。実はさ、」
「お兄ちゃん!僕にもかわって!!萌花ちゃーん、元気??」
俺が用件を切り出そうとした時。
待ちきれなかったのか紅葉が手を伸ばして俺からスマホを取り上げる。
慌てて、スピーカーにして、二人で聞けるようにした。
「え、紅葉くん?久しぶりだね~、私は元気だよ?紅葉くんは?」
「僕も元気だよー」
そう言い合い、笑い合う2人。
和気あいあいと、話す2人に俺も癒される。
すると、
「あのね、僕ね…萌花ちゃんに、会いたくて…今日会える?」
なんて、紅葉の口から飛び出すものだから俺は、面食らってしまった。
紅葉…末恐ろしいな。自分の武器をよくわかってて、やってるな。
「も、もちろん!会えるよ、てか、会いに行くよ!」
紅葉のお願いは、萌花ちゃんにも効果覿面だったようだ。



