チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~



……え、と。



あさみ先輩の発言に、一瞬思考が停止する。


「………」



「ほ、ほら、人数多くないと楽しくないしさ……。また、2人がいるときでもご飯行けばいいし、ね?」



黙り込んでしまった俺を気遣ってか、わざと、明るく提案する先輩。


実は、ずっと気づいていないフリをしてきたけれど最近感じていたことがあった。


「……先輩、俺最近感じてたんですけど……俺のこと避けてます?てか、2人きりにならないようにしてませんか?」


そう、バレンタインデー以降、なぜか俺と2人になるのを避けられてる気がしていた。


「え……そ、そんなことないよ」


今、あからさまに目を反らしたよな?


スッと、視線を俺から反らし、スマホに目をやる彼女を見てやるせない気持ちになる。


あさみ先輩って基本的に嘘つけない人だからな。