チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~



¯¯¯¯¯¯


「映画、スッゴクよかったね」


「はい!思ってた以上でした、とくに最後のシーンは泣けました!」


映画が終わり、俺とあさみ先輩は、お互いに感想を話していた。


「わかるー!ヒロインが勇気を出して告白するところでしょ?頑張ってたよね」


うんうんと、相づちを打ちながら先輩は、楽しそうに話しかけてくる。


「…それにしても、瑞季と、叶多くん遅いね。ランチして帰ろうって言ってたのに。トイレまだかな?」


映画館の入り口付近で、2人を待っていると先輩は、そう呟いた。


その時。


「あ!瑞季からだ。どっか迷ってたのかな……もしもし、瑞季?今どこー?……え?」


あさみ先輩のスマホに瑞季先輩から電話がかかってくる。


ニコニコしていた先輩の表情が瞬間、驚いたように固まった。


「…うん、そっか。わかった!そっちも楽しんでね」


またね、最後にそう声をかけて、あさみ先輩は、電話を切る。