チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~



ま、マジで…?


叶多先輩を見ると、"頑張れ"と、口パクしてくれている。


……瑞季先輩、さっきは失礼なこと考えてすみませんでした。


心の中でそう謝罪し、俺は瑞季先輩に向かって小さく頷いた。


そして、俺たちのやりとりを不思議そうに見ているあさみ先輩に向かって


「あさみ先輩!行きましょ」


満面の笑みで声をかける。


「ど、どうしたの急になんか、テンション高くない?」


「いや、実は俺かなり映画楽しみにしてたんですよね」


「そうなんだ?確かにこの映画面白いって話題だったもんね」


「ですね。楽しみだなぁ」


本当は、映画なんかより、先輩たちと別行動した後のプランを楽しみに考えているんだけど。


さて、あさみ先輩は、どこに連れていったら喜ぶのか……。


そんなことに思いを馳せながら俺は、映画館に向かって歩き出したのだった。