噂って……おそらくロクなものじゃないことは確かだな。
「おはようございます。本田侑都です。俺も瑞季先輩から叶多先輩のことはよく聞いてました」
「え、そうなの?瑞季のことだからどんな風に言われてたかちょっと怖いな」
苦笑いを浮かべて、瑞季先輩を見る叶多先輩。
なるほど、流石彼氏。先輩の性格よくわかってんな。
それにしても、今日はじめて会うが、優しそうな人でよかった。
朝倉叶多先輩は、瑞季先輩の彼氏で先輩たちと同じく高校2年生。
俺たちが通っている高校の近くにある男子校に通っているらしい。
身長は、俺より5センチくらい高いかな?
俺の身長が169センチだから、ちょっと羨ましい……。
つか、体格いいな。なんか、スポーツとかやってんのかな?
そんなにことを考えながら、叶多先輩の観察をしていると、
「侑都くん、叶多のことばっかり見てないでそろそろ映画館行くよ!……あと、今日は私と叶多で途中抜けるから、あさみと2人で頑張んなよ?」
!!
後半の方は、あさみ先輩に聞こえないように声を小さくして瑞季先輩は、囁いた。



